エキノコックスが知多半島に定着?

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2021.10.27

エキノコックスが知多半島に定着?

今年の6月くらいから、愛知県獣医師会の感染症に関する委員会の委員となりました。

開院からしばらくすると「そろそろ県獣医師会のお仕事しない?」と声がかかると聞いていました。

それが、今年であり、感染症委員会でした。

 

そこで、今回は、感染症の話題を挙げます。

来月にこの件も含めた委員会が開催されます。現時点では、私個人の認識による記事です。

 

1012日に、福井新聞ONLINEで、エキノコックスが「国立感染症研究所が知多半島内で定着したとの見解を示した」、と報道しました。

 

名指しされた愛知県は1020日に

「犬におけるエキノコックス症に伴う注意喚起について」という記事をアップしています。

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kansen-taisaku/0000071035.html

 

私のエキノコックスに関する情報は国家試験レベルで止まっています。

・北海道限定の病気である→本州では関係ない病気との認識でした。

・キツネが感染源(北海道では野生のキツネに触ってはならない。)

ドラマ北の国から 蛍のルールルルルは危険行為である。→我々が学生の頃、20数年前はみんなうんうんと頷くネタでした。

・人に感染すると肝臓が破壊されてかなり危険

この程度の知識です。

 

薄い知識しか持たない私の現時点の見解は、知多半島にエキノコックスが存在する理由が無い、です。

エキノコックスは、野ネズミを、キツネ(北海道)or野犬(知多半島?)が食べることにより感染します。

もし北海道以外に広がるなら、感染源は新幹線用のトンネルを通って南下した野ネズミと考えます。

その場合、エキノコックスは青森県から徐々に南下してくると思います。(学生時代から言われていた説だったと記憶しています。)

北海道のネズミが東方・関東をショートカットして、知多に到達する理由がわかりません。

 (北海道の野菜や牛乳が知多半島に運ばれるルートがあるのでしょうか?)

 

以上は、根拠なし、です。

 

以下の事実があります。

愛知衛生研究所発表

捕獲された野犬の便のPCRでエキノコックスが陽性となる。(令和23頭 令和32)

→糞便中の虫卵は検出されず。

 

エキノコックスが定着されては困る人たちがいると想像します。

・知多半島の農家さん→生野菜が敬遠される?

・知多半島には新見南吉「ごんぎつね」に関連する施設があります。→エキノコックス=キツネ→キツネが悪者になっては困る?

・ドッグラン・犬同伴可ペンション経営の皆さん→知多半島で犬を遊ばせるのは怖い、という認識が困る?

 

一方で、エキノコックスが定着した、と発信したい皆さんがいる、とも想像します。

・検査をしている職員の方々です。

日々の仕事の成果が、愛知県を動かし、国(国立感染研)を動かしたなら、それは大きなやりがいになると思います。

そんな大きな仕事は一生に一度無いと思います。

もっと検査して、もっと陽性を発見しよう、と意気込まれていると思います。

 

今後の注目点は、虫卵が検出されるかどうかだと思います。

それまでは、定着したと言えるかどうか、まだまだ議論が続きそうです。

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