避妊・去勢手術をいつするべきか、興味深い話を見つけました。

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2021.07.02

避妊・去勢手術をいつするべきか、興味深い話を見つけました。

避妊去勢手術をいつするべきか、については今までも議論が行われてきました。

メスに関しては、乳腺腫瘍の発生率が限りなくゼロになるので初発情前にするべきだ、という意見は多いです。

その考えのもととなっている論文の要旨です。 【発情が来てない時期に避妊手術をすると、ほぼ100%乳癌が防がれる。逆に4回発情後の避妊は、避妊していない場合と乳がんの発生率は同じである。】

 

本院の推奨時期は以下のようです。

メス;初回発情後、2回目までの間

オス;おおよそ1年くらい 乳歯がゼロ(あるいは1-2本)になったら and/or マーキング、マウンティングが気になったら

 

初発情はおおよそ8か月言われています。発情前を目指すならば6-7か月でやることになります。

去勢は6か月にもなれば十分可能です。足を上げておしっこをする前に手術をしたい、という方は多いです。

でも、1年未満の体はまだまだ子供です。心も子供です。

早期の手術はあまり好きではありませんでした。

 

獣医師専用サイトであるVetPeerさんのHPで、興味深い内容のオンラインセミナーがありました。

「避妊去勢手術に関する関節障害、癌、尿失禁~品種と5体重別の雑種犬」 講師:宇津木大介先生 安田獣医科医院

2020年の外国の論文のまとめであり、最新の情報です。

 

去勢・避妊の時期によって、関節炎の発生率、癌の発生率、尿失禁の発生率に違いがあるのか、を犬種ごとにまとめてあります。

 

1枚だけ、講義内のスライドを掲載させてください。スイマセン。

ラブラドールの結果を抜き出してみました。1933頭のデータです。

 

関節障害はオスで6%、メスで6%発生します。

オス;6か月未満の去勢は発生率が13%に増加

メス:11か月未満の避妊は発生率が11-12%に増加

 

癌はオスで8%、メスで6%発生します。

手術の影響はなかった。

 

避妊していない場合の子宮蓄膿症の発生率は2%。

(意外に少ないと感じました。例えばシェルティーでは14%とありました。)

 

尿失禁 1歳未満の避妊では2-3%発生する。

 

以上をまとめると・・・

オス:6か月未満の去勢では関節炎のリスクが上がる。それ以外の問題はなし→6か月以上での去勢が推奨。

メス:11か月未満の避妊では関節炎のリスクが上がる。尿失禁も2-3%おこる→12か月以上の避妊を推奨

 

犬種別にデータを踏まえて、避妊・去勢の推奨時期が示されていました。

1才以上を推奨している犬種も多くありました。

早期の手術が推奨されないことを根拠に基づいて示してあり、とても参考になりました。

 

ただ、残念ながら、外国の論文であり、大型犬の情報が多く、日本で多い小型犬(チワワ、トイプードル)のデータはありませんでした。

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