レントゲン装置が新しくなります① CRとフィルム時代の思い出

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2024.03.30

レントゲン装置が新しくなります① CRとフィルム時代の思い出

本院は開院12年目となります。

レントゲン装置も12年目となりました。

現在のレントゲン装置はCR(コンピューターラジオグラフィー)と呼ばれています。12年前は最先端でした。

 

デジタルのフィルムで撮影します。

黒い四角い箱がフィルムです。

→箱は開けられない作りになっています。フィルムが中に何が入っているんだろうな?と思っていますが見たことはありません。

撮影後フィルムを現像機に設置し、30秒程度かけてデータを読み取ります。

データを読み取ると前のデータは消去され、再度撮影が可能となります。

 

昔のレントゲンは、実際にフィルムがありました。

フィルムの箱を開けて、カセッテ(黒い四角い箱)に設置し、撮影します。

撮影後は、暗室に移動し、フィルムを現像します。

刑事ドラマなどで、暗室の中でフィルムを液体に浸しているシーンは見たことないでしょうか?

現像液に浸して1分、定着液に浸して1分、乾燥させたら出来上がり、みたいな感じです。

洗濯ロープに洗濯ばさみでフィルムが吊るされているドラマのシーンが目に浮かびますが、それは乾燥中のフィルムです。

 

ただ、診察中にそれをする時間はありません。

 

それを可能にしたのがこの機械です。私がこの業界に入った約20年前はこのような機械を使っていました。

フィルムを差し込むとローラーがゆっくり回っており、現像液をつけて→定着液をつけて→乾燥させて、を自動でやってくれます。

ただ、これはトラブルの元が山積みでした。

・感光

フィルムは全て暗室で扱われなければなりません。太陽光にあててしまう失敗を”感光”といいます。

感光したフィルムは使い物になりません。

あるある1 フィルムの入っている箱のふたが少し開いていてた。→蓋を開けるのも閉めるのも暗室で手探りです。蓋が斜めで隙間があった(+_+)、むしろ閉めてなかった( ゚Д゚)、なんてことがあります。「感光」と書いて、大きく✖印がついてある箱がいくつも並んでいました・・・。

あるある2 暗室に入っているときに他の人が扉を開けた。→暗室にはノックをしてから入るルールがあります。ただ、ノックをせずに開ける、ノックしてから扉を開けるまでが早い、ノックが聞こえない、などのケースがあります。さてどっちがゴメンナサイするのか・・・の駆け引きがありました。

・現像液の劣化

現像液は劣化します。劣化するとキレイに現像されません。

現像液の入れ替えは休み時間の新人さんたちの役割でした。

現像液を出す→水で洗う→新しいものを入れる。ローラー等装置の中身も洗う。なかなかの手間でした。

誰が洗うのか、「私○○先生のお手伝いがあるから今日はできなくて・・・」の駆け引きがありました。

 

開院する12年前は、CRの普及率は50%未満だったように思います。

CRはまだまだ高価な時代でした。

それでも、新人時代の現像機にまつわる様々なトラブルの記憶により、CR導入の選択に迷いはありませんでした。

 

それが12年後には型落ちになっているんです。時代の流れが早すぎます。

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