レントゲンで異常があります。こんなときどうしますか?

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2024.06.01

レントゲンで異常があります。こんなときどうしますか?

先程の記事で我が家の”もなか”の胸部の写真を載せました。

同じ写真に赤丸をつけました。

ココ、明らかに異常なんです。

部位は胸骨。背骨の反対側、胸の真ん中にある胸骨の一部です。

骨融解像とも言えます。大型犬で骨が破壊されている、これはかなりヤバい癌も考えられる状況でした。

 

実は2020年頃にはすでに兆候がありました。すでに4年が経過しているので、もう心配していません。

今となっては、老化に伴う骨の変形であった、と分かります。

 

では発見した当時これを白黒つけるには、どんな手順が必要であったかを想像して書きます。

 

①針を刺して組織を採取しそれを病理検査する、生検が必要となります。

細い針では少しの材料しか採取できません。

太い針で複数回刺すことで、正確な診断に近づきます。刺す場所が骨、となると、骨を貫通する特殊な強い針を使う必要があります。

→大学病院で全身麻酔で実施することになったと思います。

 

生検の結果が良性であったら、「良かったね」で終わりです。

 

②生検の結果が悪性であったら、手術で切除することを考えます。

腫瘍部分を切除して、その空間を金属のプレート等で埋めたのかな?と想像します。

そんなことして息はちゃんと吸える?という疑問が生まれるほど切除が難しい部位だったと思います。

 

③切除できない、あるいは、手術をしない場合は、放射線治療が考慮されると思います。

この地域で放射線治療が可能な施設は岐阜大学です。

3-5週連続で毎回全身麻酔して実施したと思います。

 

①、②or③を実施しても、若齢かつ大型犬の骨の癌は、予後が悪い=治らない、ことが多いです。

かなりの費用と侵襲を与えても治らない、という未来が推測されました。

 

私は、②③はやりたくない(おそらく短期的な延命にしかならない)。

悪性であっても次に進まないと決めているなら、白黒つける必要もない=①も必要ない。つまり、何もしない、でした。

 

今結果を出すのには大変な労力が必要である。

しばらくすれば結果が分かる。良い結果なるか、悪い結果になるかは分からない。

この場合、どうお話をするべきかいつも悩んでおります。

 

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