オス 生後6~8か月(乳歯が何本残っているかで決めます。)
メス 発情1回経験後(初回発情は平均8か月と言われており、2回目発情は平均14か月です。つまり8か月から14か月の間の手術を目指します。)
猫ちゃん同様、ワンちゃんも生後6か月になれば手術は可能です。
ワンちゃんの場合は、手術の時期の決定には乳歯の残存本数を考慮します。
乳歯は生後4-5か月から抜け始め、8か月頃までには全部抜けるはずです。
しかし、最近の小型犬では乳歯が生涯抜けないことがあります。
遺残した乳歯は歯周病の原因となるため、避妊去勢手術のときに同時に抜歯します。
ここで問題。
健康な歯を抜歯するほど難しいことはありません。(人の親知らずを抜歯することを考えてみてください。)
頑丈な犬歯の乳歯を一本抜くには、去勢手術で睾丸を2個摘出するのと同じくらい時間がかかります。
そのため、乳歯が複数残っている場合には「乳歯が自然に抜けるのをもう少し待ちませんか?」とお話をします。
経験的に8か月齢まで抜けなかった乳歯は自然には抜けないと考えています。
8か月齢になった場合には「これ以上待つのはあきらめて、去勢と同時に残った乳歯を抜きませんか?」とお話しします。
~乳歯を確認してみて下さい。~
上の乳歯の犬歯を赤い丸、下の乳歯の犬歯を緑の丸でマークしました。
上の乳歯は、永久歯の後ろに存在します。永久歯との間隔が狭いため、間に歯垢がたまり歯周病の原因となります。
下の乳歯は永久歯の外側にあります。永久歯が乳歯により内側に押され、歯列が乱れます。
もちろん、マーキング・マウンティングを止めさせたい場合、誤交配のリスクがある場合などには、乳歯より去勢を優先します。