前庭疾患は眼振を特徴とする回復可能な疾患です。

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症例集

2019.01.25

前庭疾患 動画の眼振の様子を記憶しておいてください

今回はる前庭疾患を紹介します。

まずはこちらの動画をご覧ください。

 

眼球が小刻みに動いています。本人の意思とは関係なく動いています。

おそらく、ジェットコースターに乗っているような気分であると思われます。

歩行は困難ですし、嘔吐、失禁等も伴います。

 

老齢(10才以上が多いと思います)のワンちゃんで、冬季に、何の前触れもなく始まります。

今年度は今までで6例の発症がありました。(シーズー・ダックス・柴・フレンチブル×2・ハウンド系)

例年になく多くの患者さんが発症しました。

 

主訴

突然歩けなくなった。明らかにいつもと様子が違う。

症状

立てない・歩けない、眼振、斜頸、嘔吐がある場合もあります。(教科書では30%程度の発生率とされています。)

検査

神経疾患の診断には、二次診療施設でのCT・MRI検査が必要です。

ただ、経験的に1週間程度で治ります。CT・MRIは撮影しない場合がほとんどです。

一般の病院では、血液検査・レントゲン検査等でほかの内臓疾患を否定し、消去法で脳を疑います。

治療

食べられるようになるまでは点滴します。

脳炎の可能性を考えて抗生物質やステロイドを併用します。

また、嘔吐があれば吐き気止めを使用します。

経過

経験的には3-4日で眼振が止まります。(日を経つごとに揺れが減少します。)

目の揺れが改善すると食べられるようになり、そうなれば時間の問題で解決します。

1か月後には後遺症もなく、以前と同じ状態に戻ります。

 

食欲の改善は、ワンちゃんの性格が大きく影響します。

臆病だったり慎重な子は、少しでも眼振が残っていると食べません。注射器等で強制給餌が必要な場合もあります。

 

原因

教科書的には老齢性の前庭疾患は特発性=原因不明とされています。

そのため、以降に必要となる薬等は無いとされています。

その半面、予防策もないので、誰にも起こる可能性があるとも言えます。

 

 

 

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