甲状腺機能低下症の診断には、T4、FT4、TSHを測定します。

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症例集

2019.03.04

甲状腺機能低下症

スタッフブログにも記載しましたが、我が家の”もなか”の甲状腺ホルモン値(T4)が正常値を下回りました。

甲状腺ホルモンとは甲状腺から産生させるホルモンです。

役割はざっくり表現すると、体を元気にするホルモンです。成長にも重要です。

 

犬では甲状腺機能低下症(ホルモンは減少)、猫では甲状腺機能亢進症(ホルモンは増加)になります。

ヒトで時々耳にする”バセドウ病”はホルモンが増加する病気です。

 

犬の甲状腺機能低下症

症状 なんとなく元気がない 毛の状態が悪くなる 震え 歩き方の異常 など

原因 年齢

(さまざまな他の病気・ストレス・薬によって下げられている場合もある=いわゆる偽甲状腺機能低下症)

検査 甲状腺ホルモン値の測定

治療 甲状腺ホルモン剤の投薬

 

甲状腺機能低下症の治療は、不足したホルモンを薬で補充してあげることで可能です。

そのため、あまり恐れるものではありません。

ただ、他の病気や投薬によって甲状腺ホルモンが抑えられる、偽甲状腺機能低下症を考慮する必要があります。

犬の場合には、真の甲状腺機能低下症より、偽甲状腺機能低下症が多いと言われています。

 

今回の”もなか”の検査結果です。

まずT4を測定し異常値が検出されました。

その後追加検査として、FT4とTSHを測定しました。

 

ホルモンの説明です。

T4・FT4;甲状腺から分泌されるホルモン

TSH;脳から分泌される甲状腺を刺激するホルモン

 

甲状腺ホルモン(T4あるいはFT4)が不足した場合、脳は甲状腺にもっとホルモンを出しなさいという指令(TSHを分泌)を与えます。

T4・FT4が低下し、脳からの指令のホルモンであるTSHが増加する、これが真の甲状腺機能低下症です。

 

”もなか”の場合、T4軽度低下、FT4正常値、TSH正常値、です。

TSHが上昇していないので、真の甲状腺機能低下症ではない、と言えます。

 

一方、何か全身性の病気があるかといわれると、他の検査では異常ありませんでした。投薬もしていません。

したがって、投薬はせずに様子見にします。半年程度後に再検査をする予定としています。

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